包茎とは
医学的には、勃起時に亀頭が露出できない状態を包茎と言い、平常時に包皮が被っているか、いないかに関しては問題にされていません。しかし、一般的には、包茎とは、平常時も含めて亀頭が包皮に被ったままで、剥けていない状態を言います。一般的な解釈の方が厳しい判定基準になっています。
包茎の分類
包茎は、仮性包茎、カントン包茎、真性包茎の3つに分類されます。包茎の特殊型として陰茎が下腹部に埋没する埋没型包茎があります。
包茎治療の基本は、包皮の切除ですが、その際に包皮の絞扼部分を取り除くことが必要になりますが、包茎のタイプにより、絞扼の程度が異なるために、包茎の治療方法が異なる場合があります。包茎治療をお考えの方は、まず自分の包茎のタイプを明らかにしてください。多くのクリニックで無料診察を行っておりますので、無料診察を利用して自分の状態を十分に理解してみましょう。包茎治療は自分の包茎のタイプを知ることから始まります。
仮性包茎について
包茎のなかでも仮性包茎はもっとも多いタイプです。平常時は包皮が亀頭を覆っていますが、自分で亀頭を簡単に露出させることができます。余剰包皮の長さにより勃起するとほとんど亀頭が自然に露出する正常に近い仮性包茎から、勃起してもほとんど皮を被ったままの重度の仮性包茎まであります。
ほとんど剥けないタイプは、衛生状態が悪くなりやすい傾向があり、剥けやすいタイプより手術適応になりやすいと言えます。
仮性包茎の包茎手術
仮性包茎で軽く剥ける場合は、毎日きちんと洗浄できれば手術の必要はありません。しかし毎日きちんと洗浄することが出来ない、カスが溜まる、炎症を合併しているなどの場合は手術適応になります。そのような場合は手術を検討してみてください。
また美容面での改善を目的に包茎治療を希望する方もいらっしゃいます。包茎だと見栄えが悪くて友達と入浴できない、女性を誘えないなどの悩みを持っておられる方が多いようです。包茎でない方から見れば些細な事かと思われるかもしれませんが、包茎の方の美容的な悩みは大きいようです。女性の方が、バストが小さいなどで、悩んで美容整形手術をするのに少し似ているかもしれません。
包茎手術をしたことで、肩の荷が下りた、もっと早くやっておけばよかったと喜んでいただけるケースが多々あります。ずっと包茎で悩んでいて、いつかは手術をしたいと考えているということであれば、精神的負担の軽減という面から、早めに手術をすることが良いと考えられます。
カントン包茎について
カントン包茎は、平常時には包皮を無理に剥けば、亀頭の露出が可能なタイプです。しかし包皮の出口が狭いため、場合によっては、包皮口が亀頭の根元を締めつけ元に戻すことができなくなることがあります。また勃起した場合は締め付けられて激痛を感じることがあります。そのままにしておくと皮が戻らなくなり、包皮が大きく腫れてしまうこともあります。 カントン包茎で性行為を行うと狭い包皮の部分が裂けてしまったりする恐れがあるので注意が必要です。
カントン包茎の包茎手術
カントン包茎で、性交渉が出来ない場合や、勃起して痛みを感じる場合は手術をお勧めします。強引に剥いて戻らなくなることもあり、その場合は激痛を感じることがあるからです。一時的に整復することも可能ですが結局また戻らなくなることが多いため注意が必要です。
カントン包茎の場合は、単純に亀頭を露出することはできませんので、まず、絞扼輪といい包皮口が狭い部分に背面切開をいれて狭い所を解除します。その後は仮性包茎の手術と基本的には同じで余剰包皮を切除します。
真性包茎について
真性包茎とは包皮口が非常に狭く、通常時・勃起時とも、に全くペニスの皮を剥く事ができない包茎のことを言います。包皮内の亀頭を洗うことができないため、恥垢が溜まることが多く、また、包皮と亀頭が癒着することや、性行為の際に痛みや炎症を起こすこともあるようです。自然に剥けることは決してありませんので、早めの手術をお勧めしています。
真性包茎の包茎手術
真性包茎の場合は原則的に手術をお勧めしています。非常に不衛生になりやすいことと、性交渉ができない場合があるからです。真性包茎で包皮内が洗浄できないために包皮炎を繰り返し、痛みのために日常生活が制限されるようであれば早めに手術したほうが良いでしょう。
亀頭と包皮が癒着している場合にはその場合には癒着を剥離してから余剰の包皮を切除します。このような場合、難易度の高い治療になります。また手術後亀頭の部分の過敏性のために長期に痛みが続くことがあります。
仮性包茎の包茎手術
術前
術直後
31歳、既婚。仮性包茎、包茎手術
症例経過:長年、包茎で悩んでいた症例です。普段はできるだけ剥くようにしているものの、しばらくするといつの間にか被ってくることが多く、衛生状態が保てないことと、子供が大きくなって分別が付くようになり一緒に入浴するとき恥ずかしいということから、包茎手術を決意され御相談いただきました。仮性包茎で、容易に剝ける状態であるものの、余っている皮膚は長いために、美容目的と衛生目的から包茎手術の適応と考えました。包茎治療により、自然に剝けた状態になり、喜んでいただきました。
症例解説:子供が成長し分別が付くようになった時に、親が包茎だと恥ずかしいので包茎手術をしたいという希望される方がいらっしゃいます。親が包茎だと、なんとなく示しがつかない、威厳が保てないと思われるようです。また包茎の状態で、衛生面が保てず悪臭がするという方もいらっしゃいます。衛生面と美容面で大きく悩んでいる場合には、包茎は治療の適応になります。そのような方には包茎手術をお勧めしています。包茎手術には、術後、陰茎や亀頭が強く腫れたり、細菌感染を伴ったりするリスクやデメリットがあります。術前に、執刀医から詳しく説明を受け、納得した上で、手術を受けてください。
真性包茎の包茎手術
術前
術直後
22歳、独身。真性包茎、包茎手術
症例経過:真性包茎で、平常時も勃起時も、全く剥けなかった症例です。痛くて性交渉ができないので包茎手術を決意し、御相談いただきました。このままではいけないと、これまで何回か包茎手術をやろうと思ったことはあったということですが、決断できず放置していたようです。今回彼女ができ、勇気を振り絞って受診していただきました。診察したところ、絞扼輪が狭いために、亀頭の露出ができず、強い痛みを伴っていました。更に亀頭と包皮の一部は癒着していました。癒着を丁寧に剥がして、余剰皮膚を切除し、美容的に縫合しました。普通の亀頭が露出した状態になりました。
症例解説:真性包茎では、包皮が長く、包皮の締め付けが強く、更に亀頭と包皮の癒着があることがあります。そのため包茎手術の難易度は、仮性包茎に比較すると高くなります。痛みのために性交渉ができないという方は包茎手術の適応になりますので。早めの手術をお勧めしています。包茎手術には、術後、陰茎や亀頭の腫れが長期に続いたり、出血を伴ったりするリスクやデメリットがあります。術前に、執刀医から詳しく説明を受けた後に、手術に臨んでください。